ここは火星の一軒家ーMy house of Mars planet.ー

著:小松 郁
7.火星の仄かな明かりの中で
ある日ご主人達は僕ら第3世代AIの僕とR039の配備計画見直しを発表した。
僕はドキリとしたがどうやら廃棄処分にはならないらしい。
そして開拓村の充実のために新たに3体の第4世代AIを導入するらしい。
彼らが実質的に僕らの仕事を受け継ぐことになる。
彼らにはちゃんとやって欲しいと心から思うのだった。
でもS040は引き続き火星の開拓計画に組み込まれるらしく彼の存在は心強い。
実質稼働する4体の議決権より票が多い方が良いと言うことで合計6体の議決権も行使できるように手配してくれているようだ。
僕らの新しい仕事は小さなご主人達に連れられている小さなご主人の相手をすることらしい。
どうやら僕らの知性は小さなご主人達と釣り合いが取れるらしい。
小さなご主人達は僕たちと同じように猛烈な学習応力を持っているようだ。
その手助けをするのだがこれに関してはご主人達の意向もあるので独断専行というのはどうも出来なくなるらしい。
その都度にディープラーニングを働かせ学習していくようだ。
僕の出す瞬間事の結論は無限に可能性がある。
これは僕らと小さなご主人とのちょっとしたゲームになりそうだ。
そうだ。
小さなご主人達はゲームを好むらしい。
僕は予備知識にゲームや芸術、文化などを統合ニューラルネットワーク上で分析、創出するように僕自身を作り替えていくことになるかもしれない。
これは統合ニューラルネットワーク自体をディープラーニングしてゆくということだろうか?
その時僕は僕だろうか?
わからない。
ただそこには無限の可能性があるように僕にはただ感じられるのだった。
完