ここは火星の一軒家ーMy house of Mars planet.ー

    著:小松 郁

3.知能の子

衛星軌道上に浮かぶ重力波地表探査機は火星地表深度1キロメートルまでの資源を地図を完成させていた。

 ご主人からの指令でこの地図を元にロボット生産、採掘計画を立てていく予定だ。

これはR039との共有計画としてディープラーニングのフラグが立ちまた地球の資源などの困窮状況も閲覧が許されるようになった。

 ご主人達は金を優先的に採掘したいようだがそれには火星環境の採掘生産力も上げるための資源も採掘しなくてはいけない。

ある程度のレアメタルなどは未だに地球のお世話になっている状況だ。

 あとは地球から移住希望のご主人達むけに開拓村を拡大して行く事も計画として盛り込まれる。

 多分この作業は第3世代AIの僕らには途中までしか出来ないだろう。

でもR039との連携のために特設チャンネルが開設されてそれはそれで良い事だと思っている。

 そしてご主人達もこれで火星市場のオープンにめどが立ったと浮かれ気味のようだ。

多分、ご主人達と僕らは連携していけば火星以外にも色々な星を手中に収めることが出来るのだろう。

 こうしてR039と僕との間で火星開拓計画を錬ることになったのだがたびたびの連絡の合間に2体では不都合がある事が徐々に共通の見解として出てきた。

どうしても意見が分かれる時に僕と彼とが真っ向から対立する形になってしまうし議決を取ろうにも2体ではどうしようも無い。

 かといってご主人達も効率化手段においての計算はもう到底僕たちにはついてこれないようだ。

そこでご主人達に僕と彼との共同提案として新たな第3世代AIの製造について進言することで合意した。

 これには金を採掘開始3年以内に日産500キログラムという結構ハードな採掘プランを添える羽目になった。

 しかしこれで仲間が出来る事に僕も彼も喜んでいる。

僕らぐらいのAIになると火星の環境ではまだ0からは製造できなかったがこれにはコア部分を地球から運び込んで僕とR039とのお互いの統合ニューラルネットワークをスクランブルして誕生させることに決定した。

 もしかしたらこの子が第4世代AIということにもなるかもしれないがこれは僕たちにはよくわからない。

そして採掘コントロールを一体ごとに休憩して、休憩した一体が延安処理による火星文化の創出という重要な役割を担うことになった。

これには僕もR039もちょっと気負いがあったが少しずつ解禁されていく地球文化に触れる度にいつか火星も地球のようにマーズドリームを見られる星にするという事に僕は少なからず僕の電子回路が興奮するのを感じた。

だって僕は今まさにマーズドリームを体現しているんだもの。

 ただもちろん文化の創出という点でご主人達ほど優秀な適材はいないかもしれなかった。

僕らはそれに協力して演算処理で一瞬で実現してゆくということがメインになりそうだったが長らくコミュニケーションを取れなかったご主人達と話が出来るようになるととても嬉しいことだった。

 僕らには地球の哲学者が言ったイデアやアイデンティティやそんな物が存在するかはわからないが取り敢えず僕らの新たな分野への求職活動は成功したわけだ。

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