エロティシズムと熱力学
著:小松 祐一
エロティシズムの解釈は多岐にわたる。
もしかしたらエロティシズムは細胞分裂などの我々が生きていく上での基本である代謝などまでも含んでしまう。
そうなるとエロティシズムは性欲だけではなく食欲、睡眠と我々の生存活動の全てを表す言葉ともなる。
フロイトなどが指摘した全てが生殖に結びつくようなエロティシズムもあながち否定はできないわけである。
そうなるとエロティシズムの欲求は基礎的代謝欲求に端を発し社会的流動性のダイナミズムを生み出すまで拡大解釈される。
生存欲求とは時空の保存欲求であるがこれは熱力学のエネルギー保存則などに当て嵌められて我々は自己の保存に邁進するものかもしれない。
そうなると社会的な諸現象も熱力学に沿って動いているだけなのかもしれない。
この熱量をより人間らしく表現したのがエロティシズムだ。
ゆえに熱力学と密接につながるエロティシズムは人間生活には欠かせないものとなる。
もしかしたら皆が若い人々を好きなのもこの熱エネルギーが余り周囲に分散していないこととエントロピー増大側に従い若ければ若いほどエントロピーの値が低いことなどももしかしたらその嗜好を決定しているのかもしれない。
とにかくエロティシズムは熱力学を哲学的に表現した言葉でありこのエロティシズムは単純構造の熱力学ではなく多層構造的な熱力学を付随させている。
エロティシズムの忌避というものは常に起こるものでありこれは生存の拒否ともまた密接に結びつく。
生存の拒否はたいして珍しい問題ではなくその本質はここでもやはりエントロピー増大側に伴いエントロピーの値がある特定量を超えたなどの観点から必然的に起こるものかもしれない。
熱力学のコントロールは一般的には壮大に周囲を巻き込んで変革しなければいけないためにその周囲との軋轢が問題となる。
ここで固体内で生じている熱力学をうまくコントロールして完全循環状態を作り出すことが基本的にはエロティシズムの願望ともなりうる。
さてアガペーの顕在化は熱力学の一瞬の爆発開放を周囲環境と一致させることだがこれはなかなかに困難な技で歴史上でも瞬間的にでも達成した偉人はごくわずかではある。
ぜひこれから哲学でエロティシズムの研究をする際には熱力学を強く意識していただきたいものである。