僕たちの時を求めて

                              小松 郁

今日も僕は愛の夢を見ていた。
ほんとのところは僕は愛なんてよくわからない。

君を愛してる。

この言葉を言うたびに胸を締め付けるこの辛さはなんだろう。
僕は孤独だった。

僕は君と融合したかった。

いつも一緒に笑って。

いつも一緒に泣いて。

そんなことを思う度、僕は自分のだらしなさに気がつく。

君と一緒にいると僕も君も心が引き裂かれてしまうんだ。

僕は僕でいられない。

君も君でいられない。

僕は必死に融合の限界点を探りながら君に接近する。

でも時々僕と君は一緒に笑う。

でも時々僕と君は一緒に泣く。

その時に僕は少しホッとする。

良かった。

僕は心の中でとても嬉しくなる。

君も心の中で嬉しくなってれば良いな。

時々ちゃんと会おうね。

密かな楽園にある心の中で。

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