僕たちの時を求めて小説パート3

                             小松 郁

ふと目を覚ますと君がいない。
僕が君を見失うことなんて無いと思っていた。

僕の過信だ。
僕は必死でそこら中を見回した。

でも彼女は見当たらない。

その時かすかに彼女の旋律が聞こえた。
彼女も寂しげに旋律を奏でているようだ。

僕は急いでその旋律が聞こえる方に駆けていった。
ふと気づくと彼女は窪みで足をくじいてしまって倒れ込んでしまっていたらしい。

あー居た!
大丈夫かい?
僕はとても不安になったよ。

私もよ。
私も必死で旋律を奏でた。

怪我はない?

少し足が痛いわ。

そっか、じゃあ僕がほぐして擦ってあげよう。

でも君もあんなに寂しげな旋律を奏でるんだね。

それはそうよ。
私だって貴方が居なくてとても不安だったわ。

しばらくこうしていよう。
また楽しい話をしようよ。

じゃあ私も楽しい旋律を奏でるわ。
貴方とまた再開できたからね。

僕たちは目を見合わして吹き上がってくる笑いを堪えきれずに腹を抱えて笑った。

でもびっくりしたなあ。
気づいた時にはすごく焦ったよ。

そうだね。
こんなことが無いように注意しなくちゃね。

でも君のさっきの旋律みたいなの色々と聞かせて欲しいな。

貴方、悲しくなっちゃったり怒り出しちゃったりするかもしれないよ。

そっかあ、僕も色々なものを見てきた。
でも君がいるから大丈夫。

そっか、じゃあ私も大丈夫かもね。
今度またリクエストして良いよ。

彼らはアハハと笑いながらまた楽しく話し始めるのでした。

今日は怪我したみたいだから大事にした方が良いよ。

そうね、でも痛くは無いわ。

うん良かった。

お薬はきっとお星様の雫に含まれてるよ。

うんそうね、いつも大丈夫だった。

僕もよく怪我するけど舐めておけば治っちゃうんだ。

うん、そうだね。
貴方はほんとによく怪我をしてるね。

ふと、僕は決心して言葉にした。
それは癒えない傷のように心を傷つけている。

僕も酷い光景は沢山見てきたよ。
でも大抵は見栄っ張りなんだよ。

どうかな、私にはよくわからない。
私にはいつも必死の叫びに聞こえるけど。
そういう事も聞かせてね。

2人はちょっと考え込んだ後でまたじっくり話せば良いと思いました。
そしてお星様はまた雫を垂らしました。
僕たちはそれを舐めてまたしばらく2人で傷の手当をした後にお互いに頭をもたげて眠るのでした

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